名詞
今回の記事では、英語の品詞の1つである「名詞」をピックアップしていこうと思います。
日本語・英語に関係なく「名詞とはどんなものか?」については、みなさん大体おわかりだと思います。
もしかしたら「名詞」よりも、「固有名詞」のほうがみなさんに馴染があるかもしれませんね。
しかし日本語と英語では、「名詞」の意味自体は同じなのですが、その使い方は全く異なるのです。
今回の記事では、英語の名詞の捉え方を見ていきます。
日本人には馴染のない捉え方なので、勉強のやりがいがありますよ。
今回学ぶことは、まずは「英文中での名詞の役割」について!
そして「可算名詞」と「不可算名詞」、名詞の「単数形」と「複数形」、さらには名詞が「特定されたもの」と「不特定なもの」、についてやっていこうと思います。
英語の名詞を正しく扱えるのは、英語中級者でもごく少数だというのが私の見解です。
これからリーディングするとき、名詞の使い方を意識しながら精読してみてください。
それでは名詞の解説に入ります。
▢ 名詞とは
名詞とは、モノを表す品詞です。
モノとは、「人」「物」「事」です。
・「人」 → 「私」「彼」「三郎くん」など
・「事」 → 「仕事」「読書」「英語を勉強すること」 などです。
▢ 英文中での名詞の役割
文中で名詞は、「主語」・「目的語」・「補語」として機能します。
動詞が提供する英文の設計図を埋めていく、文の重要な要素。
▢ 英語では名詞をどう捉えるか
日本人に馴染のない捉え方をします。
①それは「数えられる」ものなのか「数えられない」ものなのか。
②それは「単数」なのか「複数」なのか。
③それは「特定のもの」なのか「不特定のもの」なのか。
▢ 「数えられる」名詞と「数えられない」名詞
①数えられる名詞
例えば「ペン」。
「ペン」は、1本、2本、100本と数えることができます。
「数えられる」名詞は、「可算名詞」と呼ばれ、「countable」の頭文字をとって、「C」と辞書などに表記されてます。
②数えられない名詞
例えば「砂」「水」「塩」といった物質的なもから、「幸福」「貧困」といった概念的なものまで。
あとは世の中に1つしかないものもそうです。
例えば「日本」とか「東京スカイツリー」など。
「日本が1つ2つ」って数えられないですよね。1つしかありませんから。
「数えられない」名詞は、「不可算名詞」と呼ばれ、「uncountable」の頭文字をとって、「U」と辞書などに表記されてます。
では次のことを英語で言う場合、「可算名詞」になるか「不可算名詞」になるか、どちらでしょうか?
「私は犬が好きです。」
(1)「I like dogs.」 → 可算名詞扱い
(2)「I like dog.」 → 不可算名詞扱い
上の日本文は「犬という動物が好き」と言っているので、具体性があります。
具体性があるということは、1匹2匹と数えることができます。
よって、(1)が正解です。
(2)の不可算ですと、奇妙な意味になります。
この場合不可算だと「素材」を表します。
つまり「犬の肉」という意味になってしまうのです。
普通「私は犬の肉が好きです」なんて言わないですよね。
まぁ、世界という視野でみれば、「I like dog.」と言える人もいるんでしょうけど。
だから逆に、次のことを英語で言うと以下のようになります。
「私は昨日鶏肉を食べました。」
「I had chicken yesterday.」
これをもし可算名詞扱いにしたらどうなるか?
「I ate a chicken yesterday.」
「私は昨日(ある1匹の)鶏を食べました。」
こんな意味になってしまいます。
まぁこれも世界という視野で考えれば、そう言える人もいるんでしょうけど。
あとは、人間という生き物が火を使うことを習得してない先史時代では、あり得たことなんでしょうけど。
可算名詞・不可算名詞をみてきましたが、ここで1つ注意点。
同じ名詞でも、可算名詞だったり不可算名詞だったりします。
では次の違いはどうでしょうか?
(1)「I eat an apple every day.」
(2)「I eat apple every day.」
以下の意味の違いになります。
(1)「私は毎日リンゴを1個食べます。」
(2)「私は毎日すりおろしたリンゴを食べます。」
(1)は可算なので、「まるまる個体としての」リンゴと捉えられます。
(2)は不可算なので、「個体性がない」リンゴ=「すりおろした」リンゴ、となるのです。
同じ名詞でも可算名詞か不可算名詞で
意味が変わるとは、こういうことです。
▢ 「単数形」と「複数形」
「可算名詞」の場合、名詞が「単数」なのか「複数」なのか区別しなければいけません。
不可算名詞の場合、その区別をすることはありません。
そもそも数えられないからです。
①単数形
可算名詞でかつ単数形の場合は、名詞の前に必ず「限定詞」をつけなければなりません。
限定詞とは、「a」「an」「the」「his」「this」「that」などです。
限定詞については、次の記事で説明します。
もし限定詞をつけなければ、不可算名詞になりますので。
②複数形
複数形の場合は、限定詞がある場合とない場合があります。
ただし限定詞「a」「an」「this」「that」はつきません。
これらは単数形のときだけです。
つくのは「the」「these」「those」だけです。
では、単数形と複数形の違いをみていきます。
(1)「I like a dog.」
「私はある犬が好きです。」
(2)「 I like dogs.」
「私は犬が好きです。」
(1)は「犬」が「単数形」で表されています。
「a」をつけることで、数ある犬の中でも
「1つの犬」と限定して「ある犬」と表現されます。
(2)は「犬」が「複数形」で表されています。
これは「いろいろな(種類の)犬」と言うことで
「犬(という動物が)が好きだ」と表現できるのです。
名詞の単数形と複数形の違いなんて、我々日本人にはない感覚なので、理解が大変ですよね。顔晴りましょう。
▢ 特定か不特定か
英語では、名詞が「特定」なのか「不特定」なのかを、明確にする言語でもあります。
明確にする場合は、名詞の前に「限定詞」をつけます。
「不特定」の場合は、限定詞をつけません。
「限定詞」の詳細は次の記事です。
▢ まとめ
英語の名詞の捉え方を見てきましたが、いかがでしたか?
「数えられるのか」とか「単数なのか」とか「特定されたものなのか」とか、そういった名詞の区別は日本語にはないので、我々日本人にとっては理解し難く、慣れるまでに時間がかかるだろうと思います。
理屈ではわかっていても、いざそれを英会話でスムーズに使えるかというと、やはり長い訓練が必要です。
大丈夫です、語学はそんなもんです(笑)
では、今回のポイントをまとめていきます。
①名詞とは、「物」「人」「事」といった「モノ」を表す品詞。
②名詞は、「主語」「目的語」「補語」として働く。つまり動詞が提供する英文の設計図を埋めていく文の重要な要素。
③名詞が、「数えられるもの」なのか「数えられないもの」なのか区別する。
④名詞が数えらるものならば、それは「1つ」なのか「複数」なのかを区別する。
⑤そもそも名詞が「特定されたもの」なのか「不特定なもの」なのか。
⑥同じ名詞でも、「可算名詞」のときもあれば「不可算名詞」のときもある。
⑦可算名詞で単数の場合は、必ずその前に「限定詞」をつける。
⑧可算名詞で複数の場合は、限定詞をつける時とつけない時がある。
⑨名詞が特定された場合は、その前に必ず限定詞(the)をつける。
今回の記事は以上といたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
お疲れ様でした。
それではまた(^^♪
☆To the Finest Hour☆